先日、“炎の

マエストロ”
小林研一郎の古希を祝う

アニバーサリーコンサート

(4月10日、サントリーホール)に行ってきました。
初めて彼の演奏を聴いたのは1977年(東京交響楽団によるショスタコービッチの交響曲5番でした)。彼が第1回ブダペスト国際指揮者コンクールで優勝したのが74年ですから、当時はまさに日の出

の勢い。「ブダペストでは、日本人を見ると
『おまえはコバヤシの知り合いか?』と言われるらしいよ」、などと冗談を言って(でも、実際、そんな噂があったのです)、友人と東京文化会館に行ったことを覚えています。
それから33年。37歳だった彼は70歳になってしまいました

。しかし、“炎の…”といわれるように、いつ見ても、コバケンの指揮は若々しく、この日も、激しい身振りだけでなく、壊れたチェロの音にも似たうなり声も健在でした。
曲目も、お子さまランチ風とはいえ、これぞコバケンというものばかり。1曲目の「フィンランディア」でいきなりブラボー!の声が掛かりましたが、これはだれもが納得です

。また、軽く聞き流そうと思っていた「ツィゴイネルワイゼン」も、ソロの瀬崎明日香さんの熱演もあって、すっかり引き込まれてしまいました。
そして、最後は、いつ聴いてもホール全体が必ず盛り上がる「1812年」。この日も、別に、みんながそう決めて会場に来ているわけではないと思うのですが、演奏が終わると、“自然と”スタンディングオベーション

でした。誤解を恐れずに書けば、コバケンのコンサートはいつも「楽しい!」

。大切なことです。
http://www.it-japan.co.jp/kobaken/
さて、すっかり満足して帰宅した、その日の夜、
井上ひさしさんが亡くなったニュースが飛び込んできました。わたしにとっての井上さんは、「吉里吉里人」ではなく、「モッキンポット師の後始末」や「いとしのブリジット・ボルドー」。中学から高校にかけて夢中になって読みました。こちらは75歳。時の流れを感じた一日でした。関でした。

サントリーホールって世界的に有名なホールなんですけど、
外観は絵にならないんですよねえ。
テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽